東大寺大仏殿の見どころ・特徴の簡単解説記事です。
大仏殿はとても大きな建物で、中には奈良の大仏様がいらっしゃいます。
より観光が楽しめるように建築様式・特徴をまとめました。
大仏殿 簡単に歴史をまとめる
東大寺を創建したのは聖武天皇です。
聖武天皇が治めた奈良時代は、
仏教が栄え、日本中に広まるための基礎が作られた時代となります。
東大寺がなぜ建てられたのか?
「内乱、天然痘、飢饉などの災いが起こり、聖武天皇は仏教の力で国を安定させようとした。」
というのは有名な話ですね。
まずは全国にお寺(国分寺・国分尼寺)を作り、その総本山として東大寺を作りました。
そして人々が安心して豊かに暮らせるようにするために、みなの心を一つにするために、みんなで大きな大仏を作ろうと決めました。
752年に大仏開眼供養会(かいげんくようかい)が行われ
758年に大仏殿が完成しました。
※開眼供養…お経を読んで、大仏に魂を入れる法要
柱と天井には彩色が施され、それは豪華な大仏殿だったそうですよ。
大仏殿の見どころと建築様式・特徴
大仏殿(金堂)
(国宝/江戸時代)
現存する大仏殿は、1709年に再建されたものです。
横幅約57m、奥行約50m、高さ約48m。
世界最大級の木造建築ですが、創建時に比べると横幅が短くなりました。
横幅が短くなった理由は、大きさに見合った柱が調達できなかったことと、お金が足りなかったそうです。
大仏殿は大仏様(だいぶつよう)という建築様式で建てられました。
大仏様(だいぶつよう)とは宋から取り入れたもので
時間や資材を節約しつつ、強くて立派な建物がつくれる建築様式です。
江戸時代の再建や修理を経て、現在では「大仏様風」の建物となりました。
純粋な大仏様は東大寺南大門です。
見どころ① 鴟尾(しび)
屋根の上に鴟尾(しび)がのっています。
金のシャチホコのようなもので、火除のおまじないであり、雨から屋根を守る装飾品。
創建時にはありましたが、鎌倉、江戸の再建時にはつけられず。
明治時代の解体修理の時に復活しました。
唐招提寺の鴟尾を参考に作られたそうです。
大仏殿内に鴟尾(しび)が飾ってあります。
高さ 3.33m
幅 2.4m
厚さ 1.33m
重さ 約1.7トン
めちゃくちゃでかい(*_*)
こんなのが屋根に2つも乗ってるなんて~
見どころ② 裳階(もこし)と唐破風
大仏殿は屋根が2つありますが、2階建ての建物ではありません。
上の屋根は本物の屋根です。
下の屋根は、裳階(もこし)と言われる「雨風から建物を守るための装飾用の屋根」
裳階のお陰で重量感のある立派な建物となっています。
大仏殿の中心にある唐破風(からはふ)は江戸時代の再建時につけられました。
建物全体の雰囲気からするとちょっと(かなり)違和感があります。
唐破風の下に観相窓(かんそうまど)があり
元旦やお盆にこの窓から大仏殿を拝観することができます。
見どころ③ 組物
重たい屋根を支えるための組物(くみもの)が付けられています。
大仏殿の屋根は相当重いので、六手先の組物でしっかり支えられています。
六手先の組物が柱に直接挿してある挿肘木(さしひじき)となっています。
※通常柱には挿さない
挿肘木は大仏様(だいぶつよう)の特徴です。
見どころ④ 貫(ぬき)がたくさん
こちらは大仏殿の中、天井を撮影した画像です。
真っすぐ立っている太い柱に、横木が何本も刺されています。
柱と柱を水平につなぐ横木を貫(ぬき)と言います。
貫により建物の強度を上げています。
貫が多く使われているのも、大仏様の特徴です。
大仏殿内の見どころ・特徴
ご本尊は毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)
銅造盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)
(国宝/江戸時代)
初代大仏は752年に、現存する大仏は1692年に造られたものです。
像高 14.98m
頭部 5.33m
耳の長さ 2.54m
重さ 約250トン
耳の長さが2.5m(*_*)!銅製の大きな大きな仏像です。
重さが約250トン。自由の女神が225トンなので、それより重たいです。
毘盧遮那仏は悟り(真理)そのものが具現化した存在と言われています。
宇宙の中心から光を照らすように、知恵と慈悲を世界へ行き渡らせてくれる仏様です。
※毘盧遮那(びるしゃな)とは「太陽」という意味
仏のポーズ(印相)によって意味があるようで
手のひらを見せている右手
施無畏印(せむいいん)→怖がらなくていいんだよ。
手のひらを上に向けた左手
与願印(よがんいん)→話を聞きましょう、願いを言ってごらん。
大仏様の懐の厚さ、ウェルカムな雰囲気を感じさせてくれるポーズ(印相)です。
大仏様の右手側は虚空菩薩像
1752年頃に完成した虚空菩薩像(こくうぼさつぞう)
重要文化財/江戸時代
高さ 7.1m。
中央の毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)と左右逆の手のポーズをしています。
苦しみや困難を乗り越えるための、知恵や記憶力が授かれます。
大仏様の左手側は如意輪観音像
1738年頃に完成した如意輪観音像(にょいりんかんのんぞう)
重要文化財/江戸時代
高さ 7.22m。
中央の大仏様と同じポーズをしています。
如意輪観音は観音様の変身した姿の一つ。人々をあらゆる苦しみから救い、願いを叶えてくれます。
虚空菩薩像も如意輪観音像も、約30年かけて作られました。
江戸時代の代表的な仏教彫刻です。
四天王像
高さ約5mある広目天(こうもくてん)、四天王のメンバーです。
大仏殿にあるものは全てビッグスケールで、こちらの広目天も迫力満点。
四天王とは、帝釈天に仕え仏教を守る守護神です。
江戸時代に作られましたが、2躰は未完成のまま終了したそうです。
持国天と増長天の頭部のみ置いてありました。
柱くぐり
柱に横幅30㎝、縦37㎝の大きさの穴が開いています。
柱の穴をくぐると頭が良くなるそうですよ
コロナ禍ではくぐれませんでした。
ちなみに、柱の穴は大仏様の鼻の穴と同じ大きさらしいです。
御朱印
料金(納経料) 300円
大仏殿の場所・営業時間・拝観料など
大仏殿の場所を地図でチェック!
東大寺南大門から徒歩5分。
大仏殿
営業時間
4~10月 7:30~17:30
11~3月 8:00~17:00
拝観料
大仏殿 600円
セット券(大仏殿・東大寺ミュージアム)
大人 1000円
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