法華堂(三月堂)の見どころ・歴史を簡単に解説!仏像の名前と魅力をまとめました。




東大寺法華堂(三月堂)の見どころ・歴史の簡単解説記事です。

法華堂(三月堂)は東大寺の中でも古いお堂で、中には国宝の仏像がずらり!

貴重な仏像の魅力など、三月堂についてまとめました。

法華堂(三月堂)の歴史を簡単に解説

こちらが法華堂の入口。小ぶりなお堂です。

法華堂(三月堂)733年、聖武天皇により建てられました。

きっかけは聖武天皇の一人息子が幼くして亡くなったこと。
供養のために建てた山房が、後に金鐘寺(こんしゅじ)となります。

金鐘寺はやがて東大寺となり、法華堂は東大寺のお寺として現存しています。

創建当時は不空羂索観音ふくうけんさくかんのん)という観音様がご本尊だったため、羂索堂と呼ばれていました。

旧暦の三月に法華会(ほっけえ)が行われるようになり、現在は「法華堂」「三月堂」とも呼ばれています。
※法華会(ほっけえ)…法華経を講義する会。 引用:コトバンク

東大寺は2度の大きな火災に見舞われましたが、法華堂(三月堂)は無事だったため、東大寺最古の建物となっています。

中の仏像も奈良時代に造られたものです。

まとめ

733年に聖武天皇が建てた山房が、のちの法華堂(三月堂)になった。
火事で焼け残った、東大寺最古の建物。

法華堂(三月堂)見どころ・魅力紹介

法華堂では奈良時代の貴重な仏教彫刻が近くで見られます。全て国宝です!

9躰の像は、像高3m~4mのビッグサイズ!

色んな意味で見応えがあります。

【国宝】法華堂(三月堂)

パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=331357による

「見どころは仏像」と言いつつ、法華堂の建物も見どころです。

屋根に注目すると、建物が左側と右側に分かれているのが分かります。
左側→正堂・奈良時代に建てられた
右側→礼堂・鎌倉時代に建てられた

もともと別の建物を一つに改築しました。
時代の異なる建築様式を見事に融合した珍しい建物です。

【本尊】不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)

Ismoon (トーク) 15:49, 10 February 2019 (UTC) – own work (from Internet, with my work on Photoshop and Lightroom), CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=76477157による

不空羂索観音立像(ふくうけんさくかんのんりゅうぞう)
国宝/奈良時代
像高362㎝

中央に立つ、大きくてきらびやかな不空羂索観音。
頭上の宝冠も国宝です。

観音様は相手にあわせて姿を変え、人々を救いますが、不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)は変化したお姿の一つです。

ちょっと難しいお名前ですが、意味を解説すると

不空(ふくう)=空にしない、虚しいものにしない
羂索(けんさく)=鳥獣などを捕まえる縄

不空羂索観音は、生きるものの願いを空しいものにしない、
縄で確実に願いを拾い救済していく観音様です。

お姿の特徴は目が3つ、腕が8本の三目八臂(さんもくはっぴ)
よく見ると手に縄を持っています。

天平時代を代表する仏像彫刻と言われ
「不空羂索観音と言えば、法華堂か興福寺」というぐらい有名な仏像です。

※ちなみに画像の不空羂索観音の両サイドにいる日光・月光菩薩は、現在東大寺ミュージアムに安置してあります。

他の仏像の名前と見どころ

御本尊以外の仏像も奈良時代の国宝です!

帝釈天(たいしゃくてん)・梵天(ぼんてん)

国宝/奈良時代
帝釈天像高 402cm
梵天像高 402cm
脱活乾漆造(だっかつかんしつぞう)

落ち着いた(落ち込んだ?)雰囲気の帝釈天、梵天は高さ4m。法華堂で一番大きな像です。
脱活乾漆造、漆で作られた像です。

簡単に紹介すると
帝釈天…仏教の守護神。最強の力を持つ。
梵天…仏教の守護神。お釈迦様に仏教を広めるよう指示した。

帝釈天と梵天は天部最高位の神様であるため、よくセットで祀られます。

四天王像

Imperial Japanese Commission to the Panama-Pacific International Exposition – Japanese Temples and their Treasures (The Shimbi Shoin 1915), パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=18710173による

国宝/奈良時代
持国天像高 309cm
増長天像高 300cm
広目天像高 304cm
多聞天像高 310cm
脱活乾漆造(だっかつかんしつぞう)

壇の四方に配置された四天王像、3mの高さです。

表情は四天王像にしてはややマイルド、ポーズもちょっとぎこちない。
それ故に奈良時代の作りだと感じさせてくれます。

画像は広目天。
あらゆるものを見通し、手に持つ巻物に記録します。

金剛力士像

Imperial Japanese Commission to the Panama-Pacific International Exposition – Japanese Temples and their Treasures (The Shimbi Shoin), パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=18705280による

国宝/奈良時代
吽形像高 306cm
阿形像高 326.4cm
脱活乾漆造(だっかつかんしつぞう)

正面から向かって左側が吽形(うんぎょう)、右側が阿形(あぎょう)です。

画像は口を開けた阿行です。

南大門の金剛力士像(阿行)

南大門にも金剛力士像がいらっしゃいますが、それとはかなり対照的。
上半身は鎧を身に着け、動きも小さめ。

それが奈良時代の仏像彫刻らしさではないかと感じます。

こちらの像も脱活乾漆造、漆で造られたものです。

まとめ

法華堂(三月堂)の見どころは奈良時代に造られた建物と仏像の数々。
脱活乾漆造の奈良時代らしい仏像を楽しむことができる。

【秘仏】執金剛神立像(しゅこんごうじんりゅうぞう)

Association of Cultural Properties – Portfolios of National treasures, 1stVolume, 1952-03-30, Association of Cultural Properties, Tokyo, Japan, パブリック・ドメイン, リンクによる

国宝/奈良時代
像高 170.4cm
塑像(そぞう)

不空羂索観音の後ろに秘仏の執金剛神(しゅこんごうじん)がいます。
通常は厨子(ずし)という箱の中にいらっしゃるため、見ることができません。

秘仏のため通常非公開、毎年12月16日に見ることができます。
タイミングが合えばぜひ一度見てみて下さいね!

執金剛神は他の像とは違い、粘土で作られた塑像(そぞう)です。
奈良時代のものですが、保存状態が良かったため彩色が残っています。

法華堂(三月堂)の場所と拝観料

大仏殿から徒歩6分
戒壇院千手堂から徒歩10分

法華堂(三月堂)
営業時間 8:30~16:00
拝観料 600円

広い広い東大寺の中の、大仏殿東側にあります。
ちょっと奥になりますが、お隣に二月堂もあるのでセットで拝観がおすすめです。

法華堂の御朱印

料金(納経料) 300円

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