奈良・興福寺の見どころを簡単解説!有名な仏像や魅力まとめて紹介。




この記事では興福寺の見どころを簡単に解説します。

多くの国宝を所有する歴史あるお寺です。

仏像を中心に魅力や見どころをまとめてご紹介します。

歴史・建築様式の解説はこちら

奈良・興福寺の歴史を簡単解説

興福寺と言えば五重塔

興福寺のもととなるお寺が建ったのは669年(飛鳥時代)。

中臣鎌足(藤原鎌足)が病気にかかった時に、妻が「夫の病気が治りますように」と願い込めて、山階寺(やましなでら)を建立したのが始まりです。

中臣鎌足(藤原鎌足)といえば大化の改新が有名ですね。
妻の名前は鏡王女(かがみのおおきみ)です。

京都にあった山階寺は、京都→藤原京(飛鳥)→平城京(奈良)と二度移動します。
平城京(奈良)に移したときに、息子の藤原不比等が「興福寺」と名付けました。

藤原家ゆかりのお寺として、奈良・平安時代と繁栄します。

火事や廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)など、度々ピンチを迎えますが、奇跡的に乗り越え、現在に至ります。

1998年には「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されました。

興福寺の見どころ① 五重塔

古都奈良のシンボル、興福寺「五重塔」です。

藤原不比等の娘、光明皇后が730年が創建。現在の塔は室町時代に(1426年)に再建された6代目です。

高さは約50m、奈良県内で最も高い建築物です
木造の五重塔では日本で2番目の高さ。一番高いのは京都にある東寺の五重塔です。

時期によっては、ライトアップされた姿を見られます。

興福寺見どころ② 国宝指定の仏像たち

興福寺は国宝指定の仏像所有数、日本一!

1180年、平氏による焼き討ちで寺は全焼しますが
その後の復興時に多くの仏像が作られ、それが現在の見どころになっています。

【国宝】東金堂の有名な仏像

奥行 14.1m
幅 25.6m
建立 1415年(室町時代)

726年聖武天皇が創建した東金堂です。
現在は1415年(室町時代)に再建されたものです。

東金堂内には鎌倉時代・平安時代に作られた国宝の数々があります。

銅像 薬師如来坐像(重要文化財/室町時代)
木造 文殊菩薩坐像(国宝/鎌倉時代)
木造 維摩居士坐像(国宝/鎌倉時代)
木造 四天王立像(国宝/平安時代)
木造十二神将立像(国宝/鎌倉時代)

以上が東金堂に安置されている仏像です。
どれも見どころのため、私がおすすめするのは2作品をご紹介します。

木造四天王立像(国宝/平安時代)

「肉太で重量感が溢れる」との説明どおり、東金堂の四天王立像は見た目がふっくらとしています。

Imperial Japanese Commission to the Panama-Pacific International Exposition – Japanese Temples and their Treasures (The Shimbi Shoin 1915), パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=18710145による

むっちりふくよかな広目天。

むちむちの四天王像をお楽しみください。

木造 十二神将立像(国宝/鎌倉時代)

「鎌倉時代の天部彫刻の傑作」と言われる作品。

Imperial Japanese Commission to the Panama-Pacific International Exposition – Japanese Temples and their Treasures (The Shimbi Shoin 1915), パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=18733642による

作風にばらつきがあり複数の仏師による作品とみられています。

表情や豊かで動きも大きい!
小さいけれどダイナミックな十二神将像をお楽しみください。

国宝館の有名な仏像

興福寺観光で「国宝館」は絶対に欠かせません!国宝指定の仏像所有数が最も多いと実感できる場所です。

照明はLEDライトに変更され、ガラスケースなしで直接拝観できるようになりました。

見どころだらけの国宝館ですが、選びに選び抜いたおすすめの2作品をご紹介します。

八部衆像の一つ、阿修羅像

小川晴暘 – 東洋美術特輯  日本美術史 第4冊、, 奈良, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3804156による

奈良時代 734年/国宝
阿修羅像(あしゅらぞう)
脱活乾漆造八部衆立像

国宝館の一番人気、若きプリンス阿修羅像です。

阿修羅(あしゅら)は戦いの神として有名ですね。
もともとは天界の神でしたが、帝釈天(たいしゃくてん)に戦いを挑み続けるうちに戦闘神となりました。

戦いに破れ修羅道に落とされるも、最終的には釈迦の説法を聞き改心。
八部衆(はちぶしゅう)の神となりました。

八部衆とはインド神話に登場する8種の神々。
仏法や仏教徒を守る神であり、釈迦如来の眷属・けんぞく(部下)です。

阿修羅像の特徴

1.八部衆のうち他の像は甲冑を身に着けてるが、阿修羅像だけは上半身裸。

他の像は一面二臂・いちめんにひ(顔が一面、手が2本)
阿修羅像は三面六臂・さんめんろっぴ顔が三面、手が6本)です。
見比べてみると面白いですね。

2.戦闘神である阿修羅像は通常怒った顔をしているが、興福寺のものは幼い顔をしている。

子どもを1歳になる前に亡くした光明皇后が、子どもの顔を思い描いて八部衆を作らせたためと言われています。

3.重さが15kgと軽い。

持ち運びがしやすいため、度々の火事でも避難させることができました。

銅像仏頭

匿名 – 東洋美術  第25号  飛鳥園、奈良, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7218147による

白鳳時代 685年/国宝
銅造仏頭(旧東金堂本尊)

銅造はもともと山田寺のものでした。
(山田寺は685年、現在の奈良県桜井市に建立されたお寺)

山田寺には薬師三尊像が安置されていましたが、興福寺の僧兵が略奪!
東金堂の御本尊となりました。(ヒドイ)

1411年には東金堂が火災にあい、仏頭だけが焼け残ります。
1937年(昭和12年)に発見され、興福寺の至宝として大切にされています。

なぜ強奪されたか?
1180年の平氏焼き打ちから復興しようと頑張るも、なかなか復興が進まない。
しびれを切らした一部の堂衆によって強奪が行われたそうです。
※堂衆…堂塔の管理運営に携わる者 引用:コトバンク

銅造仏頭の特徴

・立体感あるふくよかな顔つき
・若々しい顔・童顔
・下まぶたを水平、上まぶたが弓の形

白鳳時代の仏像の特徴がみられる、白鳳時代を代表する作品です。

波乱万丈の仏頭です。
時代の激動を感じさせない、涼やかな表情の仏頭を堪能してくださいね。

おまけの見どころ

Kōben – Kōfuku-ji, Nara, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=62670522による

ネットの書き込みを見ると天燈鬼・龍燈鬼が人気ですね。
可愛くてユーモラスなお姿が魅力的。

※画像は竜灯鬼像です。

【国宝】北円堂の有名な仏像

高さ 約15m
建立 1210年(鎌倉時代)

721年に藤原不比等の一周忌に創建され北円堂。
中にある仏像が見どころです。
※北円堂内は通常非公開春と秋の一定期間に公開。

木造 弥勒如来坐像(鎌倉時代/国宝)
木造 無著・世親立像(鎌倉時代/国宝)
木心乾漆造 四天王立像(平安時代/国宝)

以上が北円堂に安置されている国宝です。

一番の見所は「無著(むじゃく)・世親(せしん)立像」です。
無著・世親とは、4~5世紀頃インドで活躍したお坊さん兄弟。

世親像

Unkei – Kōfuku-ji, Nara, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=62690206による

東大寺南大門の金剛力士像の作者「運慶・うんけい」とその弟子が作った仏像です。
日本の肖像彫刻史上最高傑作と呼ばれています。

無著像

Unkei – Kōfuku-ji, Nara, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=62690147による

像の目には玉眼という水晶が入っています。
表情も動きも、生きている人間のような生々しさがあります。

北円堂内は通常非公開です。
春と秋の一定期間に公開されますので、タイミングが合えばぜひ見てみてくださいね。

観光ルート紹介記事

ツアー

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※右上のメニュー(横棒3本が縦に並んでいるマーク)をクリック。
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0742-22-7755

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営業時間
9:00~17:00
(最終受付 16:45)

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住所:奈良県奈良市登大路町48

トイレ・休憩所・売店があります。

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