法隆寺の見どころと有名な仏像ついて解説します。
法隆寺はとても広く、国宝や重要文化財が多くあります。
その中でも鉄板の見どころを簡単にまとめました。
法隆寺、創建の歴史を簡単解説
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/40a3d4308b272580019d8ad7d4350737.jpg)
寺伝によると、607年に推古天皇と聖徳太子(厩戸王)によって建てられました。
607年と言えば、小野妹子を遣隋使に派遣した年ですね。
創建された理由
聖徳太子のお父様、用明天皇(ようめいてんのう)が病気に罹りました。
「病気を治すために、お寺と仏像を造ろう」と用明天皇は決めましたが、建てる前に亡くなってしまいます。
お父様の意思をついだ聖徳太子と推古天皇が、法隆寺を建てました。
607年に創建された法隆寺は、670年にすべて焼失してしまいます。
7世紀後半~8世紀初頭に再建、その後さまざまな修繕が行われ今に至ります。
1993年、歴史的価値が認められ世界遺産に登録されました。
詳しい歴史はこちらの記事を御覧ください。
法隆寺の見どころは?
「世界最古の木造建築」が法隆寺最大の見どころです。
木造は湿気に弱く燃えやすいのですが、法隆寺には築1300年を超える建物があります。
そして法隆寺には国宝が40件、重要文化財を含めると190件もあります。
建物も仏像も飛鳥時代の貴重なものが現存する、奇跡のお寺です。
人生に一度見ておくことをおすすめします。
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/8af91e21cf926b2ad0c38a4bc15f9dc5.png)
法隆寺の大雑把な地図です。
敷地面積は東京ドーム4つ分、かなり広いです。
世界最古の木造建築はオレンジの西院伽藍(さいいんがらん)にあります。
有名な仏像は西院伽藍とピンクの大宝蔵院(だいほうぞういん)、青の東院伽藍(とういんがらん)にあります。
エリアごとに見どころを簡単に紹介します。
ちなみに点線矢印はおすすめ観光ルートなので、よければ参考にしてください。
西院伽藍の見どころと有名な仏像を紹介
伽藍(がらん)とは、寺院の主要な建物(金堂・塔・講堂など)の集まりのこと。
法隆寺最大の見どころ、世界最古の木造建築は西院伽藍にあります。
具体的な建物は金堂・五重塔・中門・廻廊です。
中門
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/97c70dbc3b76649f4f9e2b41f90e61b3.jpg)
世界最古の木造建築「中門」を、伽藍の内側から見ました。
見どころはエンタシスの柱!
エンタシスとは、柱の真ん中やや下の方が一番太い形状の柱です。
ギリシャのパルテノン神殿に代表される特徴です。
「ギリシャから日本へエンタシスが伝わってきたのね~❀」と考えがちですが、ギリシャの技術が伝わったわけではないようです。
廻廊でもエンタシスの柱を見ることができます。
五重塔
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/c9df925db55e985261e6fb5bb0c8d627-643x800.jpg)
こちらが五重塔、高さ32.5mです。
日本最古の木造建築なので、つまり日本最古の五重塔となります。
お釈迦様の遺骨(仏舎利)が埋められています。
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/07/115d7e81790073abee0a68608b025aab.jpg)
塔の一階にある塑造塔本四面具(そぞうとうほんしめんぐ)が見どころ。国宝です。
塑像(そぞう)とは、土で作った仏像のこと。
東西南北の四面それぞれに、お釈迦様にまつわる場面が塑像でつくられています。
東面→維摩居士(ゆいまこじ)と文殊菩薩が問答している場面
北面→釈迦がお亡くなりになった場面
西面→舎利(釈迦の遺骨)をわける場面
南面→弥勒様の浄土の世界
多くの塑像が場面を作り上げています。
画像は有名な北面で、お釈迦様が亡くなったことを悲しむ泣き仏です。
めちゃくちゃ嘆き悲しみまくっていて、迫真です。
網越しに見ることになります。
ネット情報では、宇宙人がいるとかいないとか。
ぜひ探してみてくださいね。
金堂
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/9566f2889f23278acc63699c36906331.jpg)
こちらも世界最古の木造建築、金堂(こんどう)です。
飛鳥様式、最古の建物です。
中にはご本尊が安置してあります。
見どころは中の仏像です。
金堂の中にある有名な仏像
金堂の中には、必見の仏像が多くあります。
その中でも有名な2作品をご紹介しますね。
釈迦三尊像
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2023/03/413px-syakasanzonzou_horyuji2.jpg)
Tokyo Bijutsu Gakko(Tokyo Fine Arts School and Tokyo Music School) ed., HORYUJI OKAGAMI (64 VOLUMES) [The Great Art of the Horyuji Temple Volme 49th, 1917], パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=8688047による
金堂の中央には釈迦三尊像(飛鳥時代/国宝)があります。
聖徳太子(厩戸王)の病気平癒と極楽浄土へ行くことを願って建てられた像です。
中央が釈迦如来、左右に薬王菩薩と薬上菩薩がいらっしゃいます。
やや長めのお顔、アーモンド形の目、口元が微笑むアルカイックスマイルが特徴です。
私達が知っている仏像とはちょっと違って、異国風(特にお顔)の釈迦如来です。
四天王像
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/240px-ZojoTen_viruudhaka_horyuji_Kondo.jpg)
TOKYO BIJYUTU GAKKO – 東京美術学校編 法隆寺大鏡 第39集, 1910, パブリック・ドメイン,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=12277408による
こちらが日本最古の四天王像(飛鳥時代/国宝)。
四天王像は怒った顔でポーズを決めて、邪鬼を踏みつけることが多いのですが、こちらは直立不動、落ち着いた表情の四天王像となっています。
その理由は以下の通り。
邪鬼の四肢は手かせ足かせで拘束されており、暴れる心配がないので、四天王も静かに直立しているのだと解釈されている。
引用:Wikipedia(法隆寺の仏像)
邪鬼が拘束されているので、スラッと立っている珍しい四天王像です。
見どころは足元の縛られている邪鬼(じゃき)。
コミカルな表情と姿をしていて、金堂唯一のほっこりできる場所です。
大宝蔵院の見どころと有名な仏像を紹介
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/eeb828021b132f0c33c7325f00b14c06.jpg)
こちらが平成10年に完成した大宝蔵院(だいほうぞういん)です。
法隆寺が保有する寺宝が展示されています。
寺の宝どころか国の宝といえるものが多くあります。
有名なものを3作品ご紹介しますね。
大宝蔵院の有名な仏像など
百済観音像(飛鳥時代/国宝)
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2023/03/250px-Kudara_kannon_horyuji.jpeg)
パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3570006
百済観音像(くだらかんのんぞう)は九等身、スレンダーなモデル体型。
2mを超える高身長。
優美な雰囲気で人々を魅了します。
日本を代表する仏像であり、貴重な木造仏像彫刻です。
酒を買う姿に似ていることから、酒買い観音と呼ばれていたそうです。
手に持つ水瓶(すいびょう)が、酒に見えてきますね…(^_^;)
夢違観音像(飛鳥時代/国宝)
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/187px-Yumetagae_Kannon-horyuji.jpeg)
Unknown, Photo:Tokyo Bijutsu Gakkō – Tokyo Bijutsu Gakkō(Tokyo Fine Arts School and Tokyo Music School): HŌRYŪJI ŌKAGAMI (64 VOLUMES) [The Great Art of the Hōryūji Temple Volume 8th, 1913., Tokyo, Japan], パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=8314002による
正式には観音菩薩立像です。
お祈りすると悪夢を吉夢に変えてくれることから、夢違観音(ゆめちがいかんのん)とも呼ばれています。
飛鳥時代後期に作られました。(台座は江戸時代)
特徴は幼いお顔とふっくらしたお身体とお腹。
夢見が悪い時に、ぜひお世話になりたいですね。
玉虫厨子(飛鳥時代/国宝)
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/348px-Tamamushi_Shrine-horyuji.jpeg)
東京美術学校 – 法隆寺大鏡 第 11巻 1914, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5637046による
こちらが玉虫厨子(たまむしのずし)、飛鳥時代に作られました。
厨子(ずし)とは仏像や経典などをしまう仏具。
玉虫の羽が装飾されているので「玉虫厨子」と呼ばれています。
玉虫の羽はほとんど取れてしまい、残るは一部のみ。
見どころは厨子の装飾画。
右側面の「捨身飼虎図(しゃしんしこず)」は必見です。
捨身飼虎図は釈迦の前世の出来事。
飢えた親子の虎の前に自らの肉体を差し出したという、慈悲深いエピソードが絵になっています。
3作品ご紹介しましたが、どれも面白い貴重な見どころです。
東院伽藍の見どころと有名な仏像を紹介
聖徳太子(厩戸王)が亡くなった後、太子を偲んで建てられたのが東院伽藍です。
東院伽藍は「とういんがらん」と読みます。
夢殿(国宝)
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/0091b50c6949151e1542592edbd20a35.jpg)
東院伽藍の中心となる建物、夢殿(ゆめどの)です。
日本最古の八角形の円堂です。
聖徳太子(厩戸王)を供養するために建てたと言われています。
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/e4281b54cbbd0902b14c3ca2395f0037.jpg)
屋根の上にある金銅製宝珠露盤(ほうじゅろばん)が美しいと評判です。
夢殿の有名な仏像
救世観音立像
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/256px-GUZE_Kannon_horyuji.jpeg)
Tokyo Bijutsu Gakko – Tokyo Bijutsu Gakko(Tokyo Fine Arts School and Tokyo Music School): HORYUJI OKAGAMI (64 VOLUMES) [The Great Art of the Horyuji Temple] Volume 51st, 1918-01-30, Tokyo, Japan, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=8570207による
夢殿、最大の見どころは木造観音菩薩立像、
救世観音像(くぜかんのんぞう)とも呼ばれています
聖徳太子(厩戸王)の等身像とされ、像高は約180cm。
像全体は左右対称、お顔が特徴的。
アーモンド形の目、丸まった鼻、微笑んだ口元は異国風です。
通常非公開で、年に2回特別公開されます。
特別公開の時期
春(4/11~5/18)
秋(10/22~11/22)
法隆寺関連記事
アクセス方法
電車(最寄り駅)
最寄り駅 JR大和路線「法隆寺駅」
駅から法隆寺まで徒歩20分(1.5km)
移動手段は徒歩、バス、タクシーです。
バス
最寄りのバス停は「法隆寺参道」
ルート 法隆寺駅→法隆寺参道
番号 72番系統
所要時間 8分
バス会社 奈良交通9時台~16時台に運行しています。
1時間に3本程度です。※時刻表・料金はこちら(奈良交通)
法隆寺参道から法隆寺まで徒歩4分(350m)の距離です。
ツアー
奈良の見どころをバス、タクシーで巡るツアーもおすすめです。
・現地出発のツアーなら「ベルトラ」
奈良 観光ツアー
・プランが豊富!ツアーで楽しむなら「クラブツーリズム」
話題の世界遺産や大古の歴史を楽しむ旅!クラブツーリズムの近畿旅行
※右上のメニュー(横棒3本が縦に並んでいるマーク)をクリック。
表示されたページの検索BOXに「法隆寺」と入力し検索する方法もあります。
拝観料・営業時間・定休日
・拝観料 割引
大人 1,500円
小学生 750円
団体割引、障がい者割引あり
・営業時間 定休日
2月22日~11月3日
8:00~17:00
11月4日~2月21日
8:00~16:30
定休日 なし
※最新情報はこちら(法隆寺ホームページ)
施設情報・御朱印・お問い合わせ
住所:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1−1−1
施設情報(トイレなど)
トイレ・休憩所・売店あり
お問い合わせ
074-575-2555
御朱印
![](https://stick-to-travel.com/wp-content/uploads/2021/11/ebb4f9a742176ccf7833ef9ecc5a4cdc.jpg)
料金(納経料) 300円
コメントを残す